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水はけが悪いとは?水はけの良い土地・悪い土地の違いと改善方法

庭にできた水たまりから、なかなか水が引かない。雨がやんでも、家の周りがぬかるんでいる。こうした状態は、土地の水はけが悪いときに見られます。
水はけには、土の性質だけでなく、地形や地下水位、排水設備の状態などが関係しています。原因に合った対策を行うことで、改善を図ることができます。
今回は、水はけが悪い土地の特徴や確認方法、代表的な改善方法を紹介します。砂質・粘土質それぞれの土壌における暗渠排水の考え方や、庭・家の周囲での活用についても解説します。
目次
水はけが悪い土地の特徴と主な原因

水はけが悪い状態とは
「水はけが悪い」とは、雨水などが地面に浸透しにくい、あるいは地表や地中から排出されにくいために、水が長く溜まる状態を指します。
地表に水たまりが残る場合だけでなく、表面の水がなくなっても、土の中に余分な水が溜まっている場合があります。地面のぬかるみが続くことも、水はけを確認する手がかりになります。
水はけが悪くなる主な原因
粘土質の土壌は、一般に砂質の土壌より水が通りにくい傾向があります。また、人や車両の通行、工事中の重機などによって土が強く締め固められると、水や空気の通り道が減り、水はけが悪化することがあります。
表面の土が水を通しやすくても、その下に水を通しにくい層があると、浸透した水がそこで滞留する場合があります。地下水位が高い場所や、周囲から地中を伝って水が流れ込む場所でも、水が抜けにくくなります。
さらに、地面のくぼみや排水先へ向かう勾配の不足、側溝・排水口の詰まりなども原因になります。既存の暗渠排水についても、土砂や根の侵入、管の破損などで機能が低下していないか確認が必要です。
土地の水はけをチェックする3つの方法

水はけの状態は、現地の観察や土地に関する資料から、ある程度把握できます。ひとつの情報だけで判断せず、複数の手がかりを組み合わせて確認しましょう。
雨が降った後に現地を確認する
雨が降った後や翌日に、水たまりができる場所や広さ、水が引くまでの時間を確認します。水たまりがなくなった後も、地面のぬかるみが続いていないか観察しましょう。
同じ場所に繰り返し水が溜まるのか、周囲から水が流れ込んでいるのかも、原因を考えるうえで役立ちます。雨の量や降り続いた時間によって状態は変わるため、日付や天候とともに写真を残しておくと、専門業者へ相談する際にも状況を伝えやすくなります。
地形と周囲の排水状況を確認する
周囲より低くなっている場所や地面のくぼみ、雨水が集まりやすい場所がないか確認します。あわせて、側溝や排水口の位置、土砂・落ち葉の詰まり、雨どいからの排水先なども見ておきましょう。
土地が高台や傾斜地にあっても、地中の水を通しにくい層や、斜面からの湧水によって水はけが悪くなる場合があります。敷地の高さだけでなく、水がどこから入り、どこへ流れるのかを確認することが大切です。
過去の土地利用や地形図を確認する
過去の地図や空中写真を調べると、水田や池、谷などを造成した土地かどうかを知る手がかりになります。国土地理院の「地理院地図」では、過去の空中写真や土地の成り立ちに関する情報を確認できます*。
登記情報の地目や地名も参考にはなりますが、それだけで過去の土地利用や現在の水はけを判断することはできません。造成時の資料や現地の状態もあわせて確認しましょう。また、自治体のハザードマップは、洪水や内水氾濫などの浸水リスクを調べるための資料です**。
庭の水はけを直接判定するものではないため、土地選びでは別の観点として確認することが大切です。
*国土地理院「地理院地図で見ることのできる地図や写真一覧」
**国土交通省「わがまちハザードマップ」
水はけの良い土地と悪い土地の違いと起こりうる問題

出典:ニホン・ドレン「水はけをよくするには? 3つの要因と改善方法を紹介」
水はけの良い土地と悪い土地の違い
水はけを左右するのは、土質だけではありません。地表から排水先までの流れと、地中の水の動きをあわせて考える必要があります。確認する際の主な視点は、次のとおりです。
| 確認する点 | 水はけが良い状態の例 | 水はけが悪い状態の例 |
| 雨がやんだ後 | 水たまりやぬかるみが解消しやすい | 水たまりやぬかるみが長く残る |
| 土の状態 | 水や空気が通る隙間が保たれている | 締め固めなどで水が通りにくい |
| 地中の状態 | 余分な水が移動し、抜けていく | 水を通しにくい層の上などに水が溜まる |
| 排水経路 | 排水先まで水が流れる経路がある | 勾配不足や詰まりなどで流れが妨げられる |
砂質の土壌は比較的水が通りやすく、粘土質の土壌は水が通りにくい傾向がありますが、実際の水はけは、土の構造や締め固め、下層の状態などによって変わります。
土を湿らせて触ったときのざらつきや粘りは、土質を知る目安になります。ただし、土を握った感触や苔の有無だけでは、土地全体の水はけは判断できません。
水はけが悪いことで起こる問題
土の中に余分な水が溜まり続けると、植物の根に必要な酸素が不足し、生育不良や根の傷みにつながることがあります。芝生や花壇、家庭菜園でも、過湿が生育の妨げになる場合があります。
また、庭や駐車スペースがぬかるむと、歩きにくい、靴や車が汚れる、庭仕事をしづらいといった不便が生じます。建物の近くに水が溜まり続ける場合には、床下への水の浸入や湿気の状況も確認しましょう。
水はけの悪い土地を改善する方法
水はけを改善するには、水が溜まる原因を確認したうえで、適した方法を選ぶことが大切です。まずは既存の側溝や排水口の詰まり、排水設備の不具合がないかを確認し、必要に応じて次の対策を検討します。
傾斜(水勾配)を付けて排水する
地面に緩やかな傾斜(水勾配)を付け、雨水が側溝や排水口へ流れるようにする方法です。くぼみの解消や排水経路の見直しによって、地表に溜まる水を減らせる場合があります。
勾配を付ける際は、建物や隣地へ水が集まらないようにし、排水先の位置や高さ、受け入れ能力を確認します。地中に溜まる水が原因の場合には、暗渠排水などと組み合わせて対策します。
花壇や家庭菜園の土壌を改良する
花壇や家庭菜園では、締まった土を必要な範囲でほぐし、完熟堆肥などの有機物を適切に加えることで、土の構造や通気性・排水性の改善を図ります。強く耕しすぎることや、湿った土を踏み固めることは、土の構造を損なう場合があるため注意が必要です。
ただし、地中に水を通しにくい層がある場合や、地下水位が高い場合は、表面の土を改良するだけでは十分な改善が得られないことがあります。土の入れ替えや盛土を行う場合も、水の逃げ道をあわせて検討しましょう。
暗渠排水を設置する
暗渠(あんきょ)排水は、地中に埋めた排水管などで余分な水を集め、側溝などの排水先へ導く方法です。地中の水を排出する経路をつくり、過湿やぬかるみの改善を図ります。
効果を得るには、管を埋めるだけでなく、周囲の土から管へ水が集まる経路を確保することが重要です。土質や水が溜まる深さに応じて、管の配置や間隔、管の周囲に用いる砕石などの材料を検討します***。
また、集めた水を放流できる排水先が必要です。自然に流す場合は排水先との高低差が確保できるかを確認し、施工後の点検・清掃も考慮して計画します。
砂質と粘土質に応じた暗渠排水の考え方
砂質・粘土質のいずれの土壌でも、土地の条件に合った設計・施工により、暗渠排水による改善が期待できます。 ただし、土質によって水の動き方が異なるため、適した配置や施工方法を選ぶ必要があります****。
砂質の土壌でも、その下に水を通しにくい層がある場合や、周囲から水が流れ込む場合には、地中に水が溜まることがあります。このような場所では、水が滞留する位置に合わせて暗渠排水を計画し、余分な水を排水先へ導きます。
粘土質の土壌では、水が管に向かって移動しにくいため、管まで水を導く工夫が特に重要です。暗渠の間隔を狭めることや、砕石などによる水の通り道を設けることを検討し、必要に応じて表面排水や土壌改良も組み合わせます。管を一本埋めれば周囲全体の水が抜ける、というわけではありません。
雨水浸透ますや雨水浸透管を設置する
雨水浸透ますや雨水浸透管は、集めた雨水を周囲の地中へ浸透させる設備です。暗渠排水とは、主な目的が異なります*****。
| 設備や方法 | 主な役割 |
| 暗渠排水 | 地中の余分な水を集め、排水先へ導く |
| 雨水浸透ます・雨水浸透管 | 集めた雨水を、周囲の地中へ浸透させる |
雨水浸透施設は、適した場所に設置すると、下水道や河川へ流れ込む雨水の量を抑えることにつながります。一方で、地盤の透水性や地下水位によっては、十分な効果が得られない場合や、設置に適さない場合があります。
建物の基礎や擁壁との距離、周辺地盤への影響、地域の設置基準を確認し、現地の条件に合わせて検討しましょう。水はけの悪い場所に浸透施設を設ければ解決するとは限らないため、暗渠排水との役割の違いを踏まえて選ぶことが大切です。
***農林水産省掲載資料「土壌改良のすすめ方」
****農研機構「切土・盛土の情報に基づく中山間地域水田転換畑向け排水対策技術」
*****東京都下水道局「雨水浸透ハンドブック」
庭や家の周囲での暗渠排水の活用

庭や通路のぬかるみを改善する
暗渠排水は、農地やグラウンドだけでなく、住宅の庭や建物周辺でも活用できます。例えば、次のような場所では、地中の水の滞留や流入が原因となっている場合に、暗渠排水による改善を検討できます。
- 雨の後もぬかるみが残る庭や芝生
- 土が過湿になりやすい花壇や家庭菜園
- 水が溜まりやすい家の裏手や建物脇の通路
- 斜面などから地中を伝って水が流れ込む場所
地中に設置するため、施工後も庭や通路として利用しやすい点が特徴です。植栽の位置や車両の通行など、地表の使い方に応じて、埋設深さや保護方法を検討します******。
住宅の裏手から流れ込む水を排水した事例
当社では、石川県加賀市の新築住宅で、敷地の裏手や横手のぬかるみを改善する工事を行いました。敷地の裏には山があり、擁壁の上には水路が通っており、裏側から回り込む地下水が原因と考えられた現場です。
そこで、湧水が疑われる箇所に暗渠排水管「ミツバ・ドレン」を設置し、敷地前面の側溝まで排水経路を確保しました。施工後は、水はけが改善し、敷地のぬかるみが解消されました。
詳しくは、暗渠排水工事の事例まとめをご覧ください。
設置前に確認しておきたいこと
庭や家の周囲に暗渠を設ける際は、水が溜まる場所に加えて、水の流入方向や排水先の位置・高さを確認します。建物の基礎や擁壁、埋設配管に影響しないよう、施工位置や深さを決めることも大切です。
水たまりの原因が、地面のくぼみや雨どいの排水、既存設備の詰まりであれば、その改善を優先できる場合もあります。原因と敷地全体の水の流れを確認し、必要な対策を組み合わせましょう。
******ニホン・ドレン「暗渠排水工事の事例まとめ」
水はけの悪い土地は原因に合った対策で改善を
水はけが悪い状態には、土質や締め固め、地形、地下水位、排水設備など、さまざまな要因が関係しています。雨が降った後の様子や周囲の排水状況、過去の土地利用を確認することで、原因を絞り込む手がかりが得られます。
改善方法には、水勾配の調整、土壌改良、暗渠排水、雨水浸透施設の設置などがあります。砂質・粘土質のどちらでも、条件に応じて暗渠排水を活用できますが、管へ水を集める経路と、集めた水を流す排水先の確保が重要です。
庭や家の周囲、畑などの水はけでお困りの方は、ニホン・ドレンへお気軽にお問い合わせください。水が溜まる場所や雨の後の様子が分かる写真などをお知らせいただくと、状況を把握しやすくなります。
水はけが悪い土地について知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
水はけが悪いことについてよくある質問
Q1. 水はけが悪い土地を購入しても大丈夫?
A1. 水はけが悪い土地でも、排水対策によって改善できる場合があります。ただし、土地を購入する場合には、水はけだけで判断せず、地盤や排水設備、洪水・内水などのハザードマップも確認した上で検討するようにしましょう。
Q2. 水はけの悪い庭を自分で改善することはできる?
A2. 表面の水たまりを改善するための簡単な整地や排水対策は、DIYで対応できる場合があります。ただし、排水管や暗渠排水、雨水浸透ますの設置など、地中にかかわる工事は、専門業者への相談をおすすめします。
Q3. 水はけが悪いとどんな植物が育ちにくい?
A3. 根が過湿に弱い植物は根腐れを起こしやすく、乾燥を好む植物ほど水はけの悪い土壌では育ちにくい傾向があります。


