水とくらし

道路が冠水する原因は?車で走行する危険性も解説

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近年、集中豪雨や局地的集中豪雨(ゲリラ豪雨)が発生する確率が高まり、道路が冠水してしまうことも増えてきました。

 

「浸水」が住宅などの建物の中に水が侵入してくることを指すのに対し、「冠水」は洪水などにより普段は水がない土地に水が流れ込み、地面や道路が水で覆われてしまった状態のことをいいます。

 

この記事では、道路が冠水する理由や冠水した場所を車が走行する際の危険性、冠水を避けるための対策をご紹介します。

 

 

目次

     

     

    道路が冠水する原因 

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    道路の冠水は、なぜ起きてしまうのでしょうか。主に、以下のような理由が考えられます。

     

     

    1.局地的集中豪雨の増加

    前述のように、近年では、気象条件の変化により、集中豪雨や局地的集中豪雨が頻発しています。一時的に非常に大量の雨が降ることで道路や排水設備が雨水を処理しきれない状況となり、冠水が起きてしまいます。

     

     

    2.都市化による水の流出量の増加

    都市開発により都市部に多くの人々やビル、交通インフラが密集したことで、流水量の急激な増加を招き、既存の排水設備が雨水を処理できないケースもあります。

     

    また、都市の地表を覆うコンクリートは雨水を吸収しないため、短時間で雨水が排水設備における排水量の限界を超えると、すぐに冠水という事態になってしまいます。

     

     

    3.浸水被害が起こりやすい構築物の増加

    都市開発により商業圏が密集したために、都市には地下街や地下施設が多く存在します。これらの構造物は地表面より下に造られているため、浸水した際は重大な被害が起こりやすいといえるでしょう。

     

     

    車が冠水した道路を通ると危険?

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    冠水した道路を車で通行することは、非常に危険な行為です。

    とはいえ、車で走行している際に目の前の道路が冠水してしまったら、車を置いていくわけにもいかないため、通らざるをえないでしょう。

     

    車が走行できる水位や水が侵入した際の対策、起こりうる不具合などについてご紹介します。

     

     

    車が走行可能な水位とは

    一般的に、車が安全に走行できる水位は10cm以下とされていますが、たとえ10cmでもブレーキが効きづらくなる場合があるため、注意しなければなりません。

     

    水位が30cm以上になると、走行中に車のマフラーから水が入り、エンジンに深刻なダメージを与える可能性があります。

     

    水位が50cm以上になると車体が浮いてしまい、ドアの高さよりも高くなると車内に水が侵入してきてしまいます。

     

     

    水が車内に侵入してきた際にできる対策

    道路が冠水すると、水かさが増すスピードが想像以上に早くなる場合があります。水圧でドアを開けられなくなってしまった場合は、ウインドウを開けてそこから脱出してください。

     

    電気系統のトラブルなどでウインドウが開かない場合には、フロントガラスよりも割りやすいサイドガラスを叩き割って脱出するようにしましょう。

     

    サイドガラスを叩き割るのが難しいという場合には、水が浸水してきても落ち着いて、車内の水と車外の水が同じ高さになるまで待ちます。車外からの水圧がなくなってドアを開けやすくなるため、ドアを開けて脱出するチャンスです。

     

     

    冠水道路を通ることで車に起こりうる不具合

    冠水した道路を車で走行すると、エンジン内に空気を取り込む吸気口や排気するマフラー(排気口)から浸水し、詰まってしまう場合があります。さらに、エンジンまで浸水すればエンジンが故障し、走行不能になってしまうでしょう。

     

    また、車体の下部に設置されている大型バッテリーなどの電気系統が浸水して故障すると、電子部品のショートによって制御システムが作動します。その結果、車の走行が不能になったり、パワーウインドウや自動スライドドアが作動しなくなったりして、車内から脱出できなくなってしまいます。

     

    もし、冠水した道路を車で通らなければならなくなった場合には、勢い良く進むと水しぶきが上がり車内が浸水する恐れが高まります。必ず一番低いギアにして、 ブレーキをかけながらゆっくりと進んでいくようにしてください。 

     

     

     

    道路の冠水を避けるための対策

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    さまざまな危険性のある道路の冠水ですが、国や地方自治体ではどのような対策が行われているのでしょうか。また、自分たちでも実施できる道路の冠水を避けるための対策についてもご説明します。

     

     

    国や地方自治体が実施している冠水への対策

    ・貯留・浸透施設の導入 

    浸水が想定される地域に雨水を溜め込む貯留・浸透施設の設置がない場合には、民間事業者に設置を促したり、新規開発された地域には雨水貯留施設等の新設したりといった対策を行っています。

     

     

    ・ハザードマップの公表の促進

    近年、想定を超える降水量が記録されていることから、2015年に国は水防法を改正。ハザードマップをこれまでの「100~200年に1度の雨」の想定から、「1000年に1度の雨」という想定に変えました。

     

    現在、約87%の市町村で新しい想定の洪水ハザードマップを公表。浸水想定域が以前のハザードマップより広がっている可能性があるため、確認しておくようにしましょう。

     

     

    ・降雨レーダーによるリアルタイムの情報提供 

    国土交通省のWebサイトでは、防災情報提供センターの保有するさまざまな災害情報を提供しています。その中でも、道路の冠水や洪水といった情報を確認するには、「リアルタイムレーダー/雨量」を確認してください。

     

    リアルタイム雨量というのは、水管理・国土保全局、道路局、気象庁が観測した雨量データの速報値のことで、地図から選択した周辺地域の雨量の分布と観測所ごとの雨量の時間変化がグラフとして表示されます。

     

    観測所ごとなので、ピンポイントのエリア情報を得ることが可能です。局地的集中豪雨はその名のとおり局地的に発生しますから、こういった情報が冠水を予期することに繋がるでしょう。

     

     

    自分で取り組める冠水への対策

    自分でできる対策としては、雨量が多くなった際に冠水する可能性のある場所を把握しておくことです。

     

    集中豪雨などのときに最も冠水する危険性があるのが、高架下や立体交差点などのアンダーパスです。一般的な道路よりも低くなっているアンダーパスでは、車が冠水時に深みにはまって立ち往生し、そのまま水没してしまうといった死亡事故も発生しています。

     

    アンダーパスになっている場所は、関東地方であれば国土交通省関東地方整備局の関東地域における道路冠水注意箇所マップで紹介されています。冠水の恐れがある場所は各地方自治体などが公開していることが多いので、普段から確認しておくと良いでしょう。

     

     

     

    まとめ

    突発的な集中豪雨はなかなか予測が難しいものですが、1時間あたりの降水量が50ミリ以上となる大雨の回数は、年々増加しています。また、1時間に100ミリ以上という集中豪雨も頻繁に発生しています。

     

    泥水は水深が分かりにくいので、もしうっかり深みにはまり車内に浸水してきたら、慌てずに退避しつつ、場合によっては車を捨てて脱出することも方法のひとつです。

     

    そして、運転中に激しい雨が降り出し、道路が危険なレベルの冠水状態だと感じた場合には、無理に運転せずに道路脇の駐車場などへ停止して、天候の回復を待ってから運転するようにしてください。