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【導水工】さまざまな構造物 漏水対策工事の事例まとめ(後編)

 

 

構造物の漏水対策とは

 

構造物の漏水対策とは、地下通路・駅施設・地下駐車場・高架構造物などで発生する漏水を適切に受け、導水・排水することで、構造物の劣化や利用者への影響を防止する対策のことです。

 

これまで本コラムでは、トンネルや橋梁における漏水対策事例をご紹介してきました。しかし実際には、漏水の問題は駅施設や商業施設、地下構造物など、さまざまな構造物でも発生しています。

 

特に近年は、構造物の老朽化に伴い、目地部やクラック、継ぎ目などから発生する漏水が増加しており、施設運営や維持管理に大きな影響を与えています。

漏水を放置すると、以下のような問題につながります。

 

漏水放置による問題

  • 鋼構造物や支承部の腐食・劣化
  • コンクリートの剥落やひび割れの進行
  • つららの発生や落下物による第三者被害
  • 高架下施設や植栽への漏水によるクレーム発生

 

構造物の漏水対策には、原因や発生箇所に応じていくつかの考え方があります。

 

構造物の漏水対策方法

  • 止水・注入による対策:漏水経路を塞ぐ方法
  • 表面処理による対策:シール材等で簡易的に対応
  • 集水・排水による対策:漏水を受けて安全な位置へ導水
  • 特殊形状対応:複雑な構造や狭隘部へ合わせて対策を行う方法

 

特に駅施設や地下通路、商業施設などでは、単に漏水を止めるだけではなく、「利用者への安全性」や「施設景観への配慮」も重要になります。また、複雑な形状や狭い施工条件など、現場ごとに異なる条件へ対応する必要があります。

 

そのため近年は、漏水を無理に止水するだけでなく、「漏水を確実に受け、安全な位置へ導水・排水する」という考え方の漏水対策工が多く採用されています。

 

本コラムでは、これまでご紹介してきたトンネル・橋梁とは異なる「その他構造物編」として、地下通路・駅施設・地下駐車場・ランプ部など、さまざまな構造物で実施した漏水対策工事の施工事例を、後編として6つご紹介します。

 

▼前編はこちら

 

目次

     

     

    事例1:常磐東トンネル付属建物新築工事(大阪府)

     

     

    場所:大阪府

     

    現場の課題

    阪神高速大和川線のトンネル換気塔新築工事において、換気塔内部のさまざまな箇所から漏水が発生していました。建屋内部の機器へ漏水がかかり、設備への悪影響が懸念されていました。

     

    工事内容

    漏水箇所へサイド・ドレン、集水桝、流末パイプを設置し、発生した漏水を集約して適切な位置へ導水・排水する構造としました。

     

    改善結果

    サイド・ドレンと排水管によって漏水を適切に処理することで、建屋内部の機器へ漏水がかからなくなり、設備保全につながりました。

     

     

     

     

     

     

    事例2:アトレ浦和(埼玉県)

     

     

    場所:埼玉県さいたま市

     

    現場の課題

    JR駅ビル地下では、壁面を伝う漏水によって地面に水たまりが発生していました。また、地下電気室へ隣接ピットから漏水が流れ込んでおり、タオルや吸水マットによる応急処置を繰り返している状況でした。地下ピットには排水路がなく、漏水処理に苦慮していました。

     

    工事内容

    施設内の壁面を伝う漏水に対して、サイド・ドレンおよびレック・ドレンを設置し、漏水を集約して導水しました。また、地下電気室へ流れ込む漏水についても、排水管を用いて既設汚水排水へ導水する構造としました。さらに、排水トラップを設置し、臭気や虫への対策も行いました。

     

    改善結果

    サイド・ドレンおよびレック・ドレンを接続して漏水を適切に導水することで、施設内の水たまりや地下電気室への漏水を解消しました。また、設備への影響を軽減するとともに、維持管理環境の改善にもつながりました。

     

     

     

     

     

     

     

    事例3:東京メトロ日比谷線 茅場町駅~八丁堀駅A線7k928m(東京都)

     

    場所:東京都

     

    現場の課題

    地下鉄構造物の断面変化部から漏水が発生しており、軌道上へ水が滴下していました。漏水による線路設備への影響や、維持管理上の課題が懸念されていました。

     

    工事内容

    断面変化部からの漏水対策として、サイド・ドレンを設置し、発生した漏水を受けて適切な位置へ導水する構造としました。

     

    改善結果

    軌道上への漏水滴下を防止することで、線路設備への影響を軽減し、安全な維持管理環境を確保することができました。

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    事例4:東京メトロ銀座線 上野車両基地(東京都)

     

    場所:東京都

     

    現場の課題

    上野車両基地では、側壁からの漏水によって施設内に水たまりが発生していました。漏水が継続することで、線路設備や施設維持管理への影響が懸念されていました。

     

    工事内容

    側壁からの漏水対策として、サイド・ドレンを長距離区間へ設置し、側溝の代わりとして漏水を集約・導水する構造としました。

     

    改善結果

    漏水を適切な位置へ導水することで、施設内の水たまりを防止。線路設備や施設への影響を軽減し、維持管理環境の改善につながりました。

     

     

     

     

    事例5:上石津トンネル【一般道】(岐阜県)

     

    場所:岐阜県大垣市

     

    現場の課題

    スノーシェルター目地部外側に施工されていた防水シートが経年劣化によってひび割れを起こし、内部道路へ漏水が発生していました。

     

    工事内容

    劣化した既設防水シートを撤去し、シリコンシートへ取り替えることで、目地部の漏水対策を実施しました。

     

    改善結果

    防水シートをシリコンシートへ更新したことで、内部道路への漏水を防止することができました。

     

     

     

     

     

    事例6:豊砂共同溝(千葉県)

     

    場所:千葉県千葉市

     

    現場の課題

    地下共同溝では、マンホールからの漏水や、地上から流入する雨水、構造物からの漏水が発生していました。共同溝内部の冠水や、設備への漏水滴下による老朽化が問題となっていました。

     

    工事内容

    マンホールから伝う水を受樋で受け、レックドレン・排水管・ホースによって適切な排水箇所へ導水しました。また、共同溝内の漏水箇所へ樋を設置し、漏水を集約・排水する対策を行いました。

     

    改善結果

    共同溝内部の冠水を防止するとともに、設備へ滴下する漏水を解消。施設設備の老朽化対策および維持管理環境の改善につながりました。

     

     

     

     

     

     

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