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庭の水はけを良くする5つの方法と選び方、業者依頼の目安を解説

水溜まりのある芝生の庭

 

庭に雨が降るたびに水たまりやぬかるみが残り、歩きにくさや植物の根腐れ、コケや虫の発生が気になっていませんか。水はけを良くしようと調べても方法が多く、どれが自分の庭に合うのか迷いやすいものです。

 

庭の水はけを良くする方法は、「土の性質を変える」「水を地表で逃がす」「水を地中で逃がす」の大きく3系統・5つの方法に分けられます。

 

今回は、この3系統ごとに5つの方法を順に説明するとともに、庭の使い方や水の出どころに合わせた選び方、自分で行うか業者に頼むかの目安についても紹介します。

 

 

目次

     

     

     

    庭の水はけを良くする方法は?3系統・5つの方法を比較

    雨上がりの秋の庭

     

    庭の水はけを良くする方法は、土の性質を変える方法(①土壌改良材を混ぜる、②盛り土で高くする)、水を地表で逃がす方法(③側溝・排水溝)、水を地中で逃がす方法(④雨水浸透桝、⑤暗渠排水)の3系統・5つに整理できます。

     

    なお、土の改善は小規模な作業から始められますが、暗渠排水は掘削と配管を伴う大がかりな作業が必要です。

     

    ■庭の水はけを良くする5つの方法

    方法 系統 働きかける場所 作業の規模 向いている庭
    ①土壌改良材を混ぜる 土 掘り返した範囲の土 小〜中 植物を育てる庭
    ②盛り土で高くする 土 盛り土をした部分のみ 小 一部だけがぬかるむ庭
    ③側溝・排水溝で地表の水を流す 地表 地表を流れる水 中 水溜まりの場所が決まっている庭
    ④雨水浸透桝で地面に染み込ませる 地中 集めた雨水 中 屋根の雨水が庭に流れ込んでぬかるむ庭
    ⑤暗渠排水で地中の水を逃がす 地中 地中に溜まる水 大 地下水や周囲からの流入でぬかるむ庭

     

     

     

    自分で取り組みやすい土の改善方法2つ

    健康な土を混ぜる人の手

     

    土の性質を変える方法は、特別な設備がなくても少量から始められます。ただし、水はけ改善の効果が及ぶのは、土を掘り返して手を入れた範囲に限られます。

     

     

    ①土壌改良材を混ぜて水の通り道をつくる

    土の団粒構造・単粒構造

    ※出典:農林水産省「aff(あふ)2023年1月号葉物野菜を上手に育てるヒケツ」

     

    土壌改良材を混ぜて水の通り道をつくるとは、腐葉土やパーライト、砂などの改良材を既存の土に混ぜ、水と空気が通りやすい「団粒構造」の土に近づける方法です。土の粒子がくっつきあった団粒構造の土壌は、団粒がない「単粒構造」の土に比べて、フカフカしていて空気も十分に通り、水分保持にも優れているとされています。

     

    改良材は、一度に大量に入れるのではなく、土の状態を見ながら少しずつ混ぜるのが基本です。庭の土に改良材を加えたら、植物の根が伸びる深さまで掘り返して、よく混ぜ合わせましょう。

    ただし、粘土質の土に砂を少量だけ混ぜると、かえって土が締まり、水はけが悪くなる場合があります。粘土質の庭では、腐葉土などの有機物を中心に混ぜるとよいでしょう。

     

    なお、改良材は、入れるほど良いわけではありません。果樹を対象にした試験では、粗粒のパーライトを多量に混ぜてしまうと、通気性が高くなって土が乾燥しやすくなるとされています。パーライトは土の通気性や水はけを助ける粒状の改良材ですが、量を守って使う必要があります。*

     

     

    ②ぬかるむ部分だけ盛り土で高くして水から離す

    庭全体に手を加えなくても、ぬかるむ場所だけを盛り土などで周囲より高くすると、ぬかるみにくくなることが期待できます。庭の一部だけで困っている場合に取り入れやすい方法です。

    また、植え込みの植物などの根が水に浸かり続けると、根腐れなどの湿害が出やすくなります。野菜は湿害に弱いため、もし庭に野菜を植えている際は、排水対策が特に重要とされています。

     

    *岡山県「平成18年度試験研究主要成果 パーライトの違いによる土壌物理性改善効果並びにその持続期間」

     

     

     

    水の逃げ道をつくる方法3つ

    雨水の流れ込む側溝 雨水桝

     

    土の改善だけでは水が引かない庭では、水の逃げ道そのものをつくります。地表を流す方法、地面に染み込ませる方法、地中の水を庭の外へ導く方法の3つがあり、水の出どころによって選ぶ方法が変わります。

     

     

    ③側溝や排水溝で地表の水を集めて流す

    水溜まりができる場所から浅い溝を掘り、側溝(U字溝)や排水溝まで水を集めて、敷地外の排水先へ流す方法です。溝は、水が自然に流れるよう、排水先に向かって下り勾配をつけて掘ります。

     

    水を集めても流す先の側溝や、敷地内の雨水を集める雨水桝がない場合には、浸透桝の設置などの特殊な工事が必要になります。ただし、土砂を含む地表の水を浸透桝に流すと目詰まりしやすいため、設置は専門業者に相談しましょう。溝を掘る前には、水道管やガス管などの埋設物の位置を確認し、隣地などに水が流れ込まないよう排水先も決めておきましょう。

     

     

    ④雨水浸透桝で雨水を地面に染み込ませる

    雨水浸透桝は、桝の周辺を砕石で充填し、集めた雨水を桝の側面と底面から地中へ浸透させる設備です。

    東京都下水道局の「雨水浸透ハンドブック」には、浸透桝を設置する際の主な条件が次のように示されています。

     

    <浸透桝を設置する際の主な条件>

    ・地下水位が高い場所には設置しない

    ・浸透桝と地下水面の間を50cm以上確保する

    ・建物の基礎から30cm以上(または掘削深に相当する距離)離す

    ・地下埋設物から30cm以上離す

    ・目詰まりを防ぐため、原則として屋根の雨水を集めて処理し、土砂を含むおそれのある地表の雨水や生活排水は流入させない**

     

    なお、同ハンドブックは東京23区の戸建住宅向けで、各区の基準が優先されています。雨水浸透桝の設置前に、自分が住んでいる自治体の基準を確認しましょう。

     

    **東京都下水道局「雨水浸透ハンドブック」

     

    ■雨水浸透桝の構造図

    雨水浸透桝の構造図※出典:東京都下水道局「雨水浸透ハンドブック」

     

     

    ⑤暗渠排水で地中に溜まる水を庭の外へ逃がす

    暗渠排水は、地中に排水管と砕石などの疎水材(水を通しやすい材料)を埋設し、土の中の余分な水を排水先まで導く方法です。

    地下水位が高い場所や、周囲から地中を伝って水が流れ込む場所では、雨が降った後、敷地内から水が抜けにくくなることがあります。そういう場合には、暗渠排水が改善方法のひとつです。

     

    暗渠排水は地中で水を排水するため、地表に溝や桝を設けずに済み、芝生や庭をそのまま使えるのが利点です。また、雨水浸透桝は地下水位が高い場所には設置できませんが、暗渠排水は地中の水を排水先まで導く方法のため、こうした場所でも改善方法の候補になります。疎水材や排水管を適切に選んで配置すれば、効果を長く維持しやすくなります。

     

    ただし、暗渠排水は地中に溜まる水を排水する方法ではあるものの、ただ管を埋めれば周囲全体の水が抜けるわけではなく、管の配置や排水先の確保も重要になります。設置における勾配や埋設深さの管理が難しいため、専門業者への依頼が前提の大がかりな作業といえるでしょう。

     

    ■暗渠排水の設置

    暗渠排水の設置

     

    ※出典:農林水産省「用語の解説」

     

     

    庭に合わせた水はけを良くする方法の選び方

    庭を耕す

     

    紹介した5つの改善方法は優劣ではなく、水の出どころ、庭の使い方、自分で行える作業の範囲によって、向き不向きが決まります。まず水の出どころで原因を見極め、庭の使い方で方法を絞り込み、作業の範囲でDIYか業者依頼かを決めれば、効果の薄い改善策に手間をかける失敗を避けやすくなります。

     

     

    【水の出どころ別】降った雨と地中・周囲から来る水

    雨の後に、水溜まりの場所や広さ、水が引くまでの時間を確認すると、水の出どころの手がかりになります。表面の水がなくなっても、土の中に余分な水が残っている場合があります。

     

    「雨の後に水が引くまでに時間がかかる」「表面が乾いても土の中に水が残っている」といった場合には、地中の水が庭の水はけが悪い原因の可能性があり、改善方法としては「⑤暗渠排水」が候補になります。

     

    水の出どころの原因を確かめる方法については、以下の記事をご覧ください。

    水はけが悪いとは?水はけの良い土地・悪い土地の違いと改善方法

     

     

    【庭の使い方別】芝生・花壇・家庭菜園・通路に合う方法

    芝生や花壇など植物を育てる庭では、植物の根の周りにある土を団粒構造に近づけられる、「①土壌改良材の利用」が取り入れやすい方法です。家庭菜園で一部の場所だけがぬかるむ場合は、その部分だけ高くする「②盛り土づくり」の検討がおすすめです。

     

    通路や駐車スペースなど水溜まりができる場所が決まっている場合には、その場所から溝を掘って水を流す「③側溝・排水溝の設置」がよいでしょう。「⑤暗渠排水」は、地中の水が原因になっている庭で候補の方法になります。

    芝生の庭全体がぬかるむ場合は、広い範囲の土を入れ替えるのは現実的でないことが多いため、校庭やグラウンドでも用いられている「⑤暗渠排水」も検討するとよいでしょう。

     

     

    【作業の範囲別】DIYで行う・業者に頼む

    水はけの悪さを改善したい庭の状況が以下のような場合は、DIYでの対応が難しくなるため、業者への相談も検討したいところです。

     

    <業者への依頼がおすすめの庭の状況>

    ・溜まった水の排水先(雨水桝・側溝)がない

    ・地中に水道管やガス管などの配管がある

    ・庭が広い

     

    庭が広い場合は、手作業での掘削や残土処分の負担が大きくなるでしょう。

     

    一方、庭の一部にだけ水溜まりやぬかるみがあるような場合であれば、「①土壌改良材の利用」「②盛り土づくり」のような小規模な作業から試してみてください。もし、庭の水溜まりの場所が決まっていれば、「③側溝・排水溝の設置」の検討がおすすめです。

     

     

     

     

    庭の水はけ改善方法は「水が溜まる原因」に合わせて選ぼう

    住宅の排水を下水道につなげる配管工事

     

    庭の水はけを良くする方法は、3系統・5つの方法(土の性質を変える、水を地表で逃がす、水を地中で逃がす)に分けられます。まずは水が溜まる原因(水の出どころ)を見極め、庭の使い方に合わせて選ぶのが基本です。作業規模は、自分で行うか業者に頼むかを判断する目安になります。地中の水が原因の場合や広い範囲の工事が必要な場合には、排水先と管の配置まで含めた計画が求められます。

     

    また、庭の掘削を伴う作業では、事前に水道・ガス・電気などの埋設物を確認し、排水先を確保し、隣地や道路に水を流さないようにすることが必要です。自治体によってはルールが定められている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。庭の一部だけの水溜まりなら小規模な作業から始め、地中の水が原因と見られる場合や広い範囲の工事は、専門業者への相談を検討しましょう。

     

    庭の水はけを良くしたいとお考えの方は、ぜひニホン・ドレンにご相談ください。

    ニホン・ドレンでは、暗渠排水の専門チーム「水はけバスターズ」が、福祉施設や公共施設への無償施工に加え、一般企業・個人からの有償施工の依頼も受け付けています。対応できる内容や条件は、問い合わせの際にご確認ください。

     

    施工や製品のご相談は、お電話(0776-58-3301/平日9:00〜17:00)、または以下のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

    ニホン・ドレン「水はけバスターズ」

     

     

     

    庭の水はけの改善方法についてよくある質問

     

    Q1. 庭の水はけが悪いとき、まず何から試せばよいですか?

    A1. 庭の一部だけに水溜まりやぬかるみがあるなら、「①土壌改良材を混ぜる」「②盛り土で高くする」といった、小規模な作業から試すのが取り組みやすい方法です。水溜まりの場所が決まっていれば、「③側溝や排水溝の設置」も検討できます。それでも改善しない場合や、地中の水が原因と考えられる場合には、業者への相談も検討してみましょう。

     

     

    Q2. 雨水浸透桝は、どのような庭でも設置できますか?

    A2. どのような庭でも設置可能なわけではありません。東京都下水道局の「雨水浸透ハンドブック」では、地下水位が高い場所には設置しないこと、建物の基礎や地下埋設物から30cm以上離すことなどが示されています。なお、基準は自治体によって異なるため、設置前に自分が住んでいる自治体の基準を確認しましょう。

     

     

    Q3. 暗渠排水は自分でもできますか?

    A3. 暗渠排水は、勾配や埋設深さの管理が難しく、掘削・配管を伴う大がかりな工事のため、専門業者への依頼が望ましいでしょう。

    まずは庭の水の出どころを確認し、小規模な方法で改善するか、暗渠排水が必要かを見極めることが大切です。