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ペットボトルの水は本当に安全?水道水との比較から見る健康リスク

ペット ボトル の 水 を 飲む の を やめた ほうが いい 理由

 

ペットボトルの水は手軽で便利ですが、実は健康リスクもあることをご存知でしょうか。一方で、水道水も、PFASなどの汚染で話題になることがあります。

今回は、ペットボトルの水を飲むことのリスクや水道水との安全性を比較を紹介しながら、安心して飲める水の選び方と対策も提案します。

 

 

目次

     

     

     

    ペットボトルの水を飲むことによる健康リスク

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    ペットボトルの水は日常的に利用されていますが、近年の研究により、製造や保管過程で混入する、微細なプラスチック粒子の含まれていることが明らかになってきました。どのような健康リスクの可能性があるのか、詳しく見ていきましょう。

     

     

    ペットボトルの水に含まれるマイクロプラスチックとナノプラスチックの実態

    2024年のアメリカ・コロンビア大学の研究では、ペットボトルの水1リットルあたり、平均約24万個のプラスチック粒子が検出されました。この検出されたプラスチック粒子の詳細を確認すると、約90%がナノプラスチック、残り10%がマイクロプラスチックという結果に。

     

    この数値は、従来推定されていたより、10倍から100倍も多い量です。これらのプラスチック粒子は目に見えないほど微小で、人間の髪の毛の平均的な幅の1,000分の1しかありません。

     

    ペットボトルの水にこれらのナノプラスチックが混入する原因には、保管や輸送中での包装材からの放出が考えられています。しかし、中には包装材以外のプラスチック粒子も見つかっていることから、飲料水の製造前または製造中の混入もあるのではないかと考えられています。

     

     

    マイクロプラスチックの人体への影響と健康リスク

    マイクロプラスチックは、消化管を通じて、体内に入り込む可能性があります。特に、ナノプラスチックは粒子が小さく、血液や細胞・組織への侵入が可能で、かつ、物質との反応性も良いため、人体に対する影響は、マイクロプラスチックよりもさらに大きくなるのではないかと考えられています。

     

    東京農工大の高田秀重教授らのグループによる分析では、複数人の血液中に、ナノプラスチック粒子が含まれていることがわかりました。さらに、血液や腎臓・肝臓などから、プラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)が見つかり、ナノプラスチックによる有害物質の蓄積が示されています。高田教授は「摂取量が増えたり長期間蓄積したりすれば、生殖作用などに影響を与えることが懸念される」と述べました**。

     

    また、医学誌「The New England Journal of Medicine」に掲載された研究では、血管内にたまった微小なプラスチック粒子と、心臓発作(心筋梗塞)、脳卒中、死亡のリスクの高さが初めて関連づけられました。頸動脈血管内膜切除術を受けた257人の患者を調査した結果、検出可能なレベルのプラスチックが検出された患者は、そうでない患者よりも心血管イベントのリスクが約5倍近く高かったことが報告されています***。

     

    なお、現時点での研究はまだ途上であり、WHO(2019)の技術報告は「現在の研究では、飲料水で検出されるマイクロプラスチックが明確に健康被害を引き起こしていると結論づけるには不十分である」と述べています。しかし、慢性的な健康被害の可能性が高いことから、予防に基づいた対策が重要といえるでしょう。

     

    *NewsSphere「ペットボトルの水からナノプラスチック、推定の10~100倍検出 健康リスク懸念

    **(一般社団法人)環境金融研究機構 RIEF「国内の人の血液中から、ナノプラスチック初検出。「ナノプラが有害化学物質を体内に取り入れ、蓄積」の可能性。「プラ汚染+化学物質汚染」の連動を示唆。東京農工大教授らのチーム(各紙)

    ***(一般社団法人)日本バルブ工業会 JVMA「マイクロプラスチックが人体に与える悪影響

     

     

     

    水道水の安全性とPFAS汚染の現状

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    日本の水道水は世界でも厳しい基準で管理されていますが、近年PFAS(有機フッ素化合物)による汚染が一部地域で報告されています。ここでは、水道水の安全性とPFAS汚染の実態について説明します。

     

     

    日本の水道水の水質基準と安全管理体制

    日本の水道水は水道法第4条に基づき、「水質基準に関する省令」で規定された水質基準に適合することが義務付けられています。この日本の水質基準には、WHOのガイドラインよりもさらに厳しい基準値が設けられています。例えば、発がん性が懸念されているトリハロメタンについては、日本の水質基準ではWHOのガイドラインよりも厳格な基準値を設定しています。

     

    なお、水道水をそのまま飲める国は世界196カ国のうちわずか10カ国程度しかなく、アジア圏で全土的に水道水が飲めるのは日本しかありません。日本では年間200種類以上の検査を実施しており、他の国よりも高い安全性を確保しているといえるでしょう。

     

    日本では定期的な水質検査や水源保護、配管の整備など多層的な安全管理が行われており、各都道府県によって独自の水質基準が設けられている場合も。場所によっては国が定めているよりも厳しい基準が設けられているケースもあり、高度な浄水技術とインフラ整備で安全性が確保されているのです。

     

    水道水に含まれるPFAS(有機フッ素化合物)の汚染状況と健康影響

    PFASは炭素とフッ素が強く結びついたペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)、ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)などの有機フッ素化合物の総称です。このPFASは分解されにくく蓄積性が高い化学物質で、「永遠の化学物質」と呼ばれています。環境中で分解されにくいため、土壌に残ったPFASが地下水に浸透し、水道水にまで汚染を広げていくといわれています。

     

    環境省による2022年度の調査では、PFASのうちPFOSとPFOAが全国16都府県の河川や地下水など111地点で暫定目標値を超えていたと発表されました。しかし、環境省によるPFAS調査では、2020年度から2024年度の5年間で水道事業者の検査実施率向上と基準値超過事業の大幅減少が確認されました。2020年度は11事業で暫定目標値を超過していましたが、年々減少し続け、2023年度は3事業、2024年度(9月30日時点)は0事業となりました****。

     

    PFASの健康影響については、国際がん研究機関(IARC)がPFOAを「ヒトに対して発がん性がある(グループ1)」、PFOSを「発がん性の可能性がある(グループ2B)」に分類しています。特に腎臓がんと精巣がんのリスク上昇が指摘されているほか、免疫機能低下、甲状腺疾患、出生時の低体重、血中コレステロール値の上昇などの健康リスクが懸念されています。

     

    ただし、食品安全委員会が2024年6月に公表した評価書では、人体や動物への影響は否定できないものの、「結果に一貫性がない」「知見や証拠不十分」などの理由で、耐容一日摂取量といった指標値の算出は難しいのが現状とされています。

     

    ****環境省「水道におけるPFOS及びPFOAに関する調査の結果について (水道事業及び水道用水供給事業分)

    *****環境省「PFOS 及び PFOA に関する国内外の動向について

     

    水道の安全性ついては、以下の記事も併せてご覧ください。

    PFASとは?水道水との関連性や日本の水の安全性について紹介

     

     

     

    水道水とペットボトルの水の安全性比較

    このように、水道水とペットボトルの水、それぞれに異なるリスクが存在することがわかりました。そこで、この両者の安全性を比較すれば、自分に適した飲料水選択の判断できるはずです。

     

    水道水とペットボトルの水の安全性の違い

    日本の水道水は厳しい基準と管理体制の下で供給されており、塩素やトリハロメタンの微量検出があるものの、塩素消毒により細菌汚染のリスクは極めて低い状態です。一方、ペットボトルの水は、マイクロプラスチックや保管による化学物質溶出のリスクがあります。

     

    首都圏を対象とした水道水中のマイクロプラスチックの汚染調査(2019年)によると、東京都から神奈川県までの首都圏5か所で採取された水道水からは、1リットルにつき最多12.8個、平均4.1個のマイクロプラスチックの混入が確認されています。それに対して、ペットボトルの水には、1リットルあたり平均約24万個という圧倒的な差があります******。

     

    現時点の知見では両者とも明確な健康被害は証明されていません。ただし、長期的影響への懸念は残るほか、一部地域ではPFAS汚染が課題となっており、個人のリスク許容度により選択が分かれます。経済性と環境負荷を考慮すると浄水器付き水道水、利便性を重視するなら適切に管理されたペットボトルの水が現実的な選択肢といえるでしょう*******。

     

     

    ペットボトルの水の製造過程での安全性

    ペットボトルの水は、食品衛生法に基づいて殺菌・除菌処理が義務付けられており、品質検査も行われています。厚生労働省が基準を設けているため、品質に不安があるものは日本国内で販売することができません。

     

    しかし、製造や充填時に微細なプラスチック片が混入する可能性があり、完全に除去するのは難しい状況です。コロンビア大学の研究者ベイザン・ヤン氏は、「ナノ粒子のサイズは非常に微小なため、大きな物質とは異なる挙動を示す。粒子径が大きいときはそれほど毒性がなくても、小さくなると毒性を持つようになる」と警鐘を鳴らしています。

     

    製造工程の管理強化や新技術の導入が進められていますが、規制はまだ十分とは言えません。ペットボトルの水を選ぶ場合は、信頼できるメーカーの水質検査結果を確認し、直射日光を避けて保管することが重要です。

     

    ******マルチピュア「マイクロプラスチックを約100%除去できる浄水器の調べ方・選び方

    *******HAVARY’S「ペットボトルの水は体に悪い?マイクロプラスチックとPFASも

     

     

     

    安全な飲料水の選び方とマイクロプラスチック対策

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    日常生活で安全な水を確保するためには、地域の水質情報を把握し、適切に対策することが重要です。浄水器の活用やプラスチック排出抑制など、具体的な対策方法を紹介します。

     

     

    安全な飲料水の選び方のポイント

    水道水を選ぶ場合は、まず地域の水質情報を確認することが大切です。東京都水道局などの自治体では、水質検査結果を公式サイトで公表しています。例えば、東京都水道局では、PFOS及びPFOAの測定値は暫定目標値50ng/Lを大幅に下回っており、給水栓(蛇口)における値は不検出となっています。

     

    浄水器の使用で、さらに安全性を高めることができます。高性能浄水フィルター(逆浸透膜や活性炭)を利用するなど、飲料水中の微細粒子を除去する方法があります。例えば、浄水器メーカー・ブリタの浄水フィルターカートリッジ「マクストラプロ ピュアパフォーマンス」や「マイクロディスク」は、PFAS(有機フッ素化合物)の一種であるPFOS及びPFOAを80%以上除去できることが確認されています。

     

    また、ウォーターサーバーメーカー・ウォータースタンドのナノトラップフィルターシステムでは、細菌やウイルスを99%除去するだけでなく、マイクロプラスチックやPFASといった有害物質を、一般的な浄水器よりも高いレベルで除去可能です。PFOS及びPFOAを除去できることが、第三者試験機関にて確認されています。

     

    なお、ミネラルウォーターを選ぶ場合は、ペットボトル製ではなく、紙パックやガラス瓶入りの製品を選ぶことで、マイクロプラスチックの摂取リスクを減らせます。併せて、信頼できるメーカーを選び、水質検査の結果を確認し、直射日光を避けて保管するようにしてください。

     

     

    日常生活でできるマイクロプラスチック対策

    日常でもペットボトル容器の使用を控え、ガラス製やステンレス製の容器を選ぶことも重要です。ペットボトルやプラスチック包装は自然環境で紫外線と摩擦によって分解され、二次マイクロプラスチックとなります。日本では年間200億本を超えるペットボトルが出荷されており、使い捨て消費をなくすことが環境保護につながるでしょう。

     

    また、高性能な浄水器を設置することでも、マイクロプラスチックを効果的に除去可能です。逆浸透膜方式の浄水器は、確実にマイクロプラスチックを除去して、家庭で安心して飲める水を確保できます。

     

    さらに、ウォーターサーバーや天然湧水の利用もマイクロプラスチック混入リスクを減らす選択肢のひとつです。浄水型ウォーターサーバーは、水道水を利用するため、使い捨てのプラスチックボトルを必要とせず、プラスチックボトルの削減と二酸化炭素排出量の削減に貢献できます。

     

     

     

    ミネラルウォーターも水道水も、安全性を高め健康リスクを削減する方法はある

    ペット ボトル の 水 を 飲む の を やめた ほうが いい 理由

     

    安全な飲料水を選ぶには、まず自分の住む地域の水質情報を確認することが重要です。浄水器の活用により、メーカーの試験では、PFASやマイクロプラスチックを80%以上除去できるとされている製品も市販されています。ミネラルウォーターを選ぶ場合には、ペットボトル入りではなく、紙パックやガラス瓶入りの製品を選択することで、マイクロプラスチックの摂取リスクを減らすことができます。

     

    日常生活では、合成繊維の衣類洗濯時のフィルター使用、スクラブ剤入り化粧品の回避、プラスチック容器の使用を控えるなど、マイクロプラスチック排出を抑制する工夫をすることが安全性を高めてくれます。まずは、自分の住む地域の水道水の状況を調べ、安心して飲める水を選ぶ行動を始めましょう。