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【暗渠排水】ボーリング排水工事の事例まとめ
ボーリング排水工事とは
ボーリング排水工事とは、地中に排水管を埋設し、地下に滞留した余分な水(余剰水)を効率的に排出する暗渠排水工事の工法の一種です。
水はけが悪く、地面がぬかるみやすい土地では、雨水や地下水が原因で地盤が緩むおそれがあるため、暗渠排水を施すことで、地下に浸透した余分な水を外部へ導き、水はけを改善できます。
目次
ボーリング排水の特徴と用途
排水工事の現場はそれぞれの土地の特性・目的に合った工法の選定が非常に重要です。
ボーリング排水の特徴は、斜面や切土法面に孔を掘り、地下水を抜くことで地盤を安定させる工法です。暗渠排水や土留排水と並び、代表的な排水工法のひとつで、特に土砂災害防止の現場で使われます。
ボーリング排水
専用の機械で地中深くまで孔(あな)を掘り、水を抜く工法です。地下水位の高い地盤や、滑動の恐れがある盛土部などで用いられます。
地下深部からの排水が可能なため、他の工法では難しいケースにも対応できます。
主な特徴:
- 地下水位の調整ができる
- 深層部の軟弱地盤対策にも有効
- 専用機械が必要で施工コストはやや高め
向いている場所:
-
盛土部(道路、鉄道など)
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滑りやすい傾斜地
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地下水位が高く排水しにくい現場
他の代表的な暗渠排水工法との比較
工法名 | 特徴 | 適した場所 |
暗渠排水 | 地中に管を埋めて排水 | 宅地・農地・駐車場など |
土留排水 | 擁壁や法面の裏の水を抜く | 造成地・法面・切土部など |
ボーリング排水 | 地中深くに孔を掘って排水 | 盛土・滑りやすい地盤など |
今回はこの「ボーリング排水工法」に絞り、暗渠排水工事の事例を4つご紹介します。
暗渠排水、土留排水についての記事はこちら↓
事例1:ツンブリ区域第1次地質調査業務(新潟県)
場所:新潟県
現場の課題
地質調査の際に、民家近くの斜面で湧水が確認されました。湧水の影響により斜面の安定性が低下し、崩壊や地盤の変形が懸念されていました。
工事内容
斜面に向けてボーリング孔を掘削し、打込ドレンを設置。L=3000のドレンを5本配置し、流末には塩ビ管を接続することで、湧水を効率的に排出し水路へ導水できるよう施工しました。
改善結果
施工後は、斜面内部の水圧が低下し、湧水による崩壊リスクを解消。民家周辺の安全性が大幅に向上しました。
事例2:雲仙新湯地区法面保護対策工事(長崎県)
場所:長崎県 雲仙新湯地区
現場の課題
シラス台地特有の脆弱な地盤で、斜面が崩壊しやすい環境にありました。降雨のたびに背面から水が浸透し、法面の安定性が課題となっていました。
工事内容
法面背面に向けて複数の打込ドレンを施工し、地下水を効率的に排出できる仕組みを導入しました。排水路まで導水することで、水圧を分散させ、のり面保護を実現しました。
改善結果
背面からの水抜きに成功し、法面の強度が向上。施工後は大雨でも崩壊が発生せず、道路利用者や地域住民の安全確保につながりました。
事例3:薩摩川内市甑島(鹿児島県)
場所:鹿児島県 薩摩川内市
現場の課題
軟弱な地盤により、のり面が繰り返し崩落するリスクを抱えていました。特に降雨後は水がたまり、地盤の緩みが顕著となっていました。
工事内容
法面に打込ドレンを設置し、地下水を直接排出する工法を採用。複数箇所に施工して水の流れを制御し、背面からの浸透水を効率的に除去しました。
改善結果
法面の水抜きが可能となり、地下水による圧力が軽減。背面からの水抜きに成功し、斜面全体の安定性が改善しました。
事例4:十条冨士塚境内(東京都)
場所:東京都北区
導入の背景
境内および階段には排水設備がなく、大雨時に雨水が滞留していました。雨水を地下に浸透・貯水させる必要があり、従来の排水方法では対応が困難でした。
工事内容
境内の階段部に打込ドレン(L=1500×3本を3ヶ所)を設置。雨水を地下へ浸透させる方式を採用し、現地条件に合わせた施工を行いました。
改善結果
想定以上に浸透が良好で、雨水処理が安定化。境内の冠水リスクが減少し、参拝者の安全確保と景観保持に寄与しました。
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