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大阪万博はいつまで?SDGsへの取り組みについても紹介
2025年、日本で約20年ぶりに「大阪・関西万博」が開催されています。今回の万博で行われているのが、SDGs(持続可能な開発目標)やSociety5.0の実現など、未来社会の課題解決に向けた取り組みです。
今回は、大阪・関西万博の開催期間やテーマ、注目されるSDGsへの取り組みとともに、懸念されている環境課題についてもご紹介します。
目次
大阪・関西万博は10月13日まで開催
2025年4月13日(日)に開幕した大阪・関西万博は、10月13日(月)までの約半年間にわたって開催されます。会場は、大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」です。
会期中、万博協会は約2,820万人の来場者を見込んでおり、これは1日あたり15万人以上が訪れる計算です。なお、5月10日現在の累計の来場者数は、関係者を含めて287万5394人、一般の来場者は239万283人で、目標達成には更なる集客策や話題作りが求められています*。
また、万博は国際的なイベントであるため、海外からの観光客誘致も重要なポイントです。日本政府や大阪府・市は、万博に合わせて、地域経済の活性化とともにインバウンド需要の拡大も期待されています。
*MBSニュース「【速報】大阪・関西万博 GW明け週末5月10日(土)の来場者は12.4万人 一般来場者は10.3万人 これまでの最多は開幕日の約14万人」
大阪・関西万博のメインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」
2025年大阪・関西万博のメインテーマは、「いのち輝く未来社会のデザイン」です。
このテーマには、「世界中の人々が健康で幸せに暮らせる未来社会を創り出す」という思いが込められています。「いのちを救う」「いのちに力を与える」「いのちをつなぐ」という3つのサブテーマも併せて設定され、医療、食料、環境、エネルギー、教育など、あらゆる分野での課題解決を目指しています。
特に、今回の万博では、持続可能な開発目標(SDGs)や、日本政府が掲げるSociety5.0(超スマート社会)の実現に向けた取り組みが重視されています。Society5.0とは、IoTやAI、ロボティクスなど最先端技術を活用し、経済発展と社会的課題の解決を両立させる社会モデルのことです***。
日本館では「循環」をテーマに、環境負荷を減らしながら資源を循環させる最新技術を体験できます。
例えば、日本館のパビリオンは、終了後日本各地で建物としてリユースされることを前提とする材質で作られています。また、パビリオン内では、万博会場内で出たごみが分解されバイオガスとして再生される過程をインスタレーションで追体験し、プラントで生み出されたエネルギーが日本館を動かす様子を体感可能です****。
**EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト「開催概要」
***EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト「開催目的」
****日本館まるごとガイド「日本館について」
大阪万博でのSDGsへの取り組み
※出典:EXPO 2025 大阪・関西万博公式Webサイト「開催目的」
大阪万博は「EXPO for SDGs」を掲げ、すべてのパビリオンや企画にSDGsの目標が盛り込まれることが義務付けられています。具体的には、万博の出展者はSDGsの17目標のうち、最低1つ以上をテーマとして設定し、来場者に向けてその実現に向けた取り組みや技術を発信することが求められています*****。
<具体的な取り組み例>
食品ロス削減
必要以上に作りすぎず、食材を無駄なく使うメニュー開発や、余った食品をリサイクルする仕組みが推奨されています。
マイバッグ・マイボトル利用促進
会場内の売店では、マイバッグやマイボトルの利用を推奨し、環境負荷を軽減しています。
リユース食器の導入
会場のレストランでは、使い捨てではなく洗って繰り返し使える食器を採用し、廃棄物削減に貢献しています。
再生可能エネルギーの活用
会場内の電力のすべてではありませんが、太陽光や風力などの再生可能エネルギーでまかなう仕組みになっています。
循環型輸送手段:
会場内の交通では電動バスや水素バスなど、化石燃料を使用しない環境に優しい交通手段が導入されています。
さらに、来場者がSDGsについて「見て」「触れて」「学べる」、体験型の展示やワークショップも多数予定されています。子供から大人まで、楽しみながら社会課題への理解を深められる点も大阪万博の大きな魅力です。
*****大阪商工会議所「大阪・関西万博とSDGs」
大阪万博による環境課題
大阪万博は、未来への希望を掲げる一方で、環境破壊の懸念も指摘されています。
会場となる夢洲は大阪湾に浮かぶ人工島ですが、もともとは多くの野鳥や海洋生物が生息する貴重な自然環境でもありました。万博会場にするための開発によってそれらの生態系に影響を与える可能性があるとして、開催前は環境保護団体や専門家からは慎重な対応を求める声が上がっていました******。
また、万博終了後の跡地活用についても課題が残ります。大規模なイベント会場を整備した後、放置されたままになる跡地問題は、過去の大型イベントでもたびたび指摘されてきました。大阪・関西万博の終了後、夢洲がどのように活用されるのか、地域の持続可能な発展につなげられるのか、注目が集まっています。
******WWFジャパン「大阪・関西万博における自然環境保全上の課題について」
大阪・関西万博で環境問題への考えを深めよう
大阪・関西万博は、単なる観光イベントではありません。 「いのち輝く未来社会」というテーマのもと、世界が直面する社会課題や環境問題について、来場者一人ひとりが自分ごととして考える場でもあります。
SDGsや最先端技術の展示を楽しみながら、「自分にできることは何か」「持続可能な社会とはどのようなものか」を考えるきっかけになることでしょう。併せて、環境破壊や跡地活用といった課題にも目を向けていくことが重要です。
ぜひ、2025年の大阪・関西万博に足を運び、持続可能な未来を考える第一歩を踏み出してみてください。