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畑作りは良い土作りから!土をふかふかにする方法

畑作り 畑の土をふかふかにする方法

 

畑作りの基本は、土作りといわれています。そのため、土作りがうまく行けば、畑作りの第一歩は成功したといえるでしょう。畑にはふかふかの土が良いとされていますが、どのようにすれば畑の土がふかふかになるのでしょうか。

 

今回は、土をふかふかにする方法や、水はけの悪い粘土質の土壌を改良する方法についてご紹介します。

 

 

目次

     

     

     

    良い土とは?ふかふかの土だと何がいいの?

    畑作り 畑の土をふかふかにする方法

     

    土に植えた野菜などが良く育つのは、ふかふかの土だといわれています。そもそも、良い土とはどのような土を指すのでしょうか。また、なぜふかふかの土だと良いのでしょうか。順番に見ていきましょう。

     

     

    良い土の条件

    良い土の条件とは、栄養豊富で適正なphで、ふかふかとした感触の土のことをいいます。そういった土には、土壌生物が豊富にいるため、有機物を分解する作用があります。

     

     

    物理的な観点から見た土壌の要素

    土壌は物理的に見ると3つの要素から構成され、土壌の粒子である「固相」、隙間の空気の部分である「気相」、気相に水が入った「液相」の3つの相からなります。

    三相のバランスは固相:液相:気相=4:3:3が理想的といわれ、このバランスの良い土が物理的な観点から見た場合に良い土ということになります。具体的にいうと、気相率の高い土です。

     

    逆に気相の割合が低いと、土壌に植えた植物が根を張るスペースが少なく、水も蓄えられないため、土壌生物や根に必要な酸素も少なくなってしまうでしょう。

     

     

    畑の土をふかふかの良い土にするメリット

    畑の土をふかふかにすると、水持ちや水はけが良くなるため土壌に養分を保持しやすく、植えた植物などに養分が保持されやすく供給もしやすいといったメリットがあります。

     

    一方、ふかふかでなくガチガチに固められた土の場合、水持ちや水はけが悪いだけでなく、養分も抜けやすいため植えた植物などにも供給されにくくなり、発育不良となりやすいでしょう。

     

     

     

    ふかふかの土を作る方法

    畑作り 畑の土をふかふかにする方法

     

    では、そういったメリットのあるふかふかの土はどのようにして作れるのでしょうか。下記のような方法が挙げられます。

     

     

     耕す

    土壌の気相率を上げるためには、よく耕す必要があります。ふかふかの土も放置しておくと、次第に気相が崩れて固まってしまうので、新しい植物を植える前には毎回耕すようにしましょう。

     

    ただし、耕耘機で耕した場合は表面から20cmくらい下までしか耕せないため、注意が必要です。毎回その耕し方を繰り返していると、その下の30cmくらいのところが固くなり、岩盤層のようになってしまいます。そうなると、地下水が表面に上がってくるのを遮断してしまうため、夏には灌漑しないと水が足りない、乾いた畑になる可能性があります。

     

     

      土壌改良材をまく

    畑に撒いて土をふかふかにする改良材として、以下のようなものがあります。

     

    もみ殻

    もみ殻を畑の土に混ぜ込むと、土の中の通気性が良くなり、土壌に植えた植物の根張りがよくなります。

     

    パーク堆肥

    バーク堆肥とは、伐採された樹木などの樹皮をリサイクルしたもののことです。土に2~3割を目安に混ぜ込んで耕すと、土壌の保水性・排水性・通気性・保肥力を改善できます。

     

    HB-101野菜のたい肥

    HB-101野菜のたい肥は土の表面に撒くだけでも使えますが、混ぜ込むとより効果的です通気性・排水性・保肥力を向上させて土を柔らかくするので、植物の根が元気に育つでしょう。

     

    腐葉土

    腐葉土は畑に植えた植物の養分となるだけでなく、土壌の通気性・排水性・保水性・保肥力を向上させるほか、微生物の棲み家にもなるため土が健康になります。

     

     

    菜の花を育てる

    土の状態を変えられる効果のある植物「菜の花」を植えて育てるのも効果があります。

    葉の花を植えて育てると、いずれ葉が枯れて下に落ちます。その落ちた葉をそのまま置いておくと湿気と微生物が分解し、乾燥した土を少し粘り気のある土に変化させてくれます。
    菜の花の株を抜いた後は野菜の根が土の中に残りますが、これがやがて腐るため、排水の改善にも役立ってくれるでしょう。

     

     

    有機物を投入し土壌生物を育てる

    あえて耕さずに、土壌生物に土作りを行ってもらうという方法もあります。土壌生物の粘液などによって土壌の単粒と短粒がくっつき団粒構造化するため、耕さなくても保水性のある粘り気のある土になります。

     

     

     

    水はけの悪い粘土質の土壌を改良する方法

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    粘土質の土壌は保水力や養分を蓄える力が高いため、植物にとって有害な物質の影響を和らげるといったメリットがあります。一方、水はけや通気性が悪く、根が育ちにくくなるといったデメリットも。

    そのため、粘土質に土壌が偏り過ぎてしまうと、植物が育ちにくくなってしまうでしょう。

     

    粘土質の土壌を改善する方法としては上記でご紹介したような改良材を混ぜ入れるといった方法もありますが、重症度が高くなかなかそれでは改善できないような場合には、下記のような暗渠(あんきょ)排水設備を設けるといった抜本的な方法や、耕し方を工夫するといった方法もあります。

     

     

    暗渠工事

    暗渠工事は畑の地下に排水管などの水路設備を埋設し、排水性を高める方法です。土壌に溜まった水を排水するため、畑に植えられた物の根が酸素を取り込みやすくなります。

    トレンチャーという機械で深い溝を掘り、ドレーン管と呼ばれる排水管をその溝に走らせます。一般的には、1mあたり2,000~3,000円ほどのコストがかかるとされています。

     

     

    弾丸暗渠工事

    弾丸暗渠工事は、トラクターにナイフとモールが設置されたサブソイラを取り付け、トラクターで引っ張ることで土の中の深層部分に溝を作る方法です。

    トラクターにサブソイラを取り付けるだけなので比較的簡単に施工できますが、効果を自足させるためには1~3年ごとの施工が必要とされています。

     

     

    縦穴暗渠工事

    縦穴暗渠工事は、エンジン式のオーガで土壌の深層部にある固い層を突き破り、排水性を向上させる方法です。水が溜まりやすい場所や、四隅などのサブソイラで溝を掘ることができない場所の施工に適しています。

     

     

    高畝を作る

    畑を高畝(たかうね)にすると、植えた作物の根の近辺の土に余分な水分が溜まらなくなるため、畑の排水性が高まります。また、表層の作土層部分が多くなることで空気の通りが良くなり、太陽光の当たる面積が増えて地温が上がりやすくなるので植物の根が育ちやすくなります。

     

     

    天地返し

    天地返しは、堆肥や肥料が浸透している表面から深さ20cm程度までの作土部分の土と、深さが20cm以下の心土部分の土を入れ替える方法です。耕す部分が深いほど労力はかかってしまいますが、土壌改良は耕す深さが深いほど良いとされます。

     

     

     

    まとめ

    今回は、畑作りの基本である「土をふかふかにする方法」についてご紹介しました。これから畑の土作りを行おうと思っている方は、自分で取り入れやすい方法から試してみてください。

    とはいえ、粘土質の土壌改良のための暗渠工事などは、なかなか自分では難しいものです。

    そんな場合は、暗渠工事の部品販売から施工まで手掛ける、ニホン・ドレン株式会社にぜひご相談ください