3Dプリンタ奮闘記

3Dプリンター奮闘記 #4 コースター作ってみた

こんにちは。設計部 嶋根です。
前回でFusion360(3D CAD)の基本操作は学ぶことができたので、今回は実践的なモデリングにチャレンジしていきます。

 

目次

     

     

    テーマ決め

    いざ実践!と勢い込んだものの、先ずは何を作るか決めなければ始まりません。

    せっかく作るのなら二ホン・ドレンならではのものが良いなと考えて製品を眺めていると…

    ちょうどいい製品がありました。 ミツバ・ドレンです。

    ミツバ・ドレンはハチの巣のような断面をした集束暗渠管です。集水能力に優れており、弊社の主要製品のひとつです。

    (HPリンク:ミツバ・ドレン製品紹介

     

     

    今回は特徴的なミツバ・ドレンの断面を活かして、コースターをつくってみます!

     

     

    3Dモデルを作ってみた

    では、実際に3Dモデルを作っていきましょう。

    コースターなので、断面をそのまま5mmくらい押し出せばそれっぽくなるのですが、少し凝って、お皿のように端を立たせた形にしてみます。

    前回の基本操作で学んだロフトと回転を使い、円柱状から削り出していく方法で作っていきます。

    (基本操作のおさらいはこちら

    いきなりFusion360からミツバ・ドレンの形を作り出すのはハードルが高かったので、まずは使い慣れたAutoCADから使用していきました。

    ミツバ・ドレンのCADデータを用いて、コースターにする断面を作っていきます。

    1/1サイズで作りたかったので、コースターに良いサイズ感で、なおかつ集束管の雰囲気が出るφ125のサイズを選定しました。

     

    ミツバ・ドレンの肉厚は0.8mmほどなのですが、3Dプリンターで作成するとほぼ線になってしまいます。プリントするにあたり強度が心もとないので、少し厚みを増して2mmにしました。

     

    断面の形状が整ったので、いよいよFusion360に移ります。

    同じAutoDesk社の製品なので、AutoCADで作成したデータをFusion360に取り込むのも簡単です。

    元のAutoCAD データ拡張子はDWGだったので、Fusion360に取り込むことができるDXFに変換しました。

     

    最終的に5mmほどの厚みのコースターにしようと思うので、削っていくのを考慮し、まずは10mmに断面を押し出します。

     

    次に、形状をすり鉢状にするために上中心部分を除去します。

    スケッチで大きい円と小さい円を描き、ロフトで繋げてくり抜きます。

    すでに出来上がっている立体に重ねると、勝手に除去してくれます。

    真ん中が窪んだ形になりました!

     

    下面側のフチも除去します。

    三角形をスケッチし、コースターの中心を軸にして回転させます。

    赤色が除去される部分です。

     

    3Dモデルができました!

    思ったよりちゃんとお皿のような形になりました。

     

     

    3Dプリンターでプリントしてみた

    いよいよ3Dプリンターでプリントします。

    プリントするためにはスライサーソフトの「ideaMaker」に取り込む必要があります。ideaMakerで開くためには、先ほどFusion360で作成した3Dデータを「.stl」という拡張子でエクスポートします。

     

    充填率、サポート材の設定をして、いざプリント!!

    このサイズでも約5時間かかります。失敗したらまた5時間やり直しなので、サイズや印刷設定の見直しは入念にします。

     

    約5時間後…

    できました!プリントされたものもちゃんとお皿のような形に見えます。

     

    そして私の愛用品になりました。

    デスクにさりげないミツバ・ドレンがGOOD

    φ125だと大きめのマグカップにちょうどいいサイズ感です。

     

     

    作った感想

    2DのAutoCADを使うことで、複雑そうな形でもモデリングすることができました。

    最も簡単そうな方法でお皿型にすることを考えましたが、原点の合わせ方や線の伸ばし方など、AutoCADでは簡単にできる基本的な操作が分からず、四苦八苦してしまいました。

    いろいろなものを作ってみて練習あるのみです。

     

    writer:嶋根