水とくらし
漏水とは?原因や自分でできる漏水調査や業者に依頼する費用
「漏水」とはどのような現象で、発生が疑われるケースや原因、自分でできる漏水調査の方法を解説します。自分で漏水調査が難かしいときのために、業者に依頼する際のポイントや費用の目安もご紹介します。いざ漏水したときの参考にしてみてください。
目次
漏水とは?
「漏水」とは、どのようなことを表し、「水漏れ」や「雨漏り」とはどのように違うのでしょうか。それぞれの違いや、普段の生活の中でどのような場合に漏水が疑われるのかご説明します。
漏水と水漏れ、雨漏りの違い
漏水とは水が漏れ出ることをいい、主に配管の劣化により起こる現象のことを指します。水漏れは、水道やトイレから水が漏れ出ること、雨漏りは、家屋の屋根から水が漏れ出ている状態のことをいうというそれぞれ違いがあります。
漏水が疑われるケース
いつもより水道料金が高額になっている
1秒間に1滴程度の水漏れが続くと、月300円程度の料金差があるともいわれます。このことから、特に使い過ぎた覚えがないのに先月と比べて水道料金が高い場合には、水漏れが発生しているかもしれません。
不自然に濡れている箇所がある
普段は使っていない場所が濡れていたり、水を使った覚えが無いのに水道の蛇口のハンドル部分や吐水口が濡れていたりする場合にも、漏水している可能性があります。
漏水が起こる原因
漏水の発生には、以下のような原因が考えられます。
水道管や付随するゴムパッキンの経年劣化
排水管や給水管などの水道管は耐用年数が40年程度といわれ、常に水が中を通るため大きな負荷がかかっています。特に、水道管が鉄管で作られている場合には、赤錆の進行により管の壁が薄くなったりと、錆や腐食などによる不具合が起こりやすくなります。
蛇口などの給水装置に取り付けられているゴムパッキンは、耐用年数は10年程度とされています。給水装置付近から水漏れしている場合には、特にゴムパッキンが古くなっていないかを確認してみましょう。
排水管の詰まり
排水管には、日々の生活排水とともに油や汚れなどが流れ込んでいます。そのまま放置していると汚れが堆積し排水管が詰まってしまい、せき止められた排水が逆流し漏水を引き起こしてしまうことがあります。
排水管の詰まりを防ぐ方法は、キッチンで排水管にそのまま油を流さないようにすることや、異物が流れないように排水口にはネットをすることです。水が詰まらないよう、排水管のこまめな手入れを心掛けることも重要です。
人的要因による水道管の破損
水の蛇口やシャワーホースに強い衝撃を与えてしまったり、排水管をワイヤー掃除する際に傷つけてしまったり、庭いじりをしている際に屋外にある水道管にぶつかってしまったりと、人の手によっても水道管は破損することがあります。
環境要因による水道管の破損
冬に気温が下がった際に水道管内の水が凍結してしまったり、大地震や台風などで水道管に大きな衝撃が加えられたりすることにより、水道管が損傷・破裂し、漏水する場合もあります。
環境要因だけでなく、水道管の老朽化など、さまざまな要因が絡むことで、より起こりやすくなるでしょう。
自分でできる漏水調査の方法
では、「漏水しているかもしれない」と感じたときに、どのように調べればよいのでしょうか。本当に漏水をしているのか、また、どこから漏水しているのか、漏水調査を自分で行う方法をご紹介します。
水道メーターで漏水の有無を確認
水を流していると、水道メーターの「パイロット」と呼ばれる部分が回転しています。つまり、水を止めて使っていないのにもかかわらず、水道メーターを確認してパイロットが回転していれば、確実に漏水しているといえます。
1箇所ずつ漏水を調査する
水道メーターの確認で「漏水しているか」は調査できますが、「どこから漏水しているか」は分かりません。漏水している箇所を見つけるには、水回りを1箇所ずつしっかり調べる必要があります。
【漏水調査】キッチンで見るべきポイント
■キッチンで特に漏水しやすい箇所
・蛇口
・排水口と排水管の接続部分
・シャワーホース
・給水・給湯管
・シンク
蛇口の吐水口やハンドル部分を手で触ってみて、濡れてないか確認してみましょう。蛇口やハンドル部分の漏水はゴムパッキンの劣化によるものが多いため、劣化しているようなら取り替えてください。シャワーホースがある場合には、ホース部分も触って漏水していないか確認が必要です。
蛇口やホース部分が漏水していないようであれば、シンク下の扉を開けて給水・給湯管を調べます。シンク下は普段隠れている場所で漏水に気づきにくいため、注意しなければなりません。給水・給湯管が濡れていて漏水している場合、水が床下に垂れて腐食してしまう可能性があります。
【漏水調査】トイレで見るべきポイント
■トイレで特に漏水しやすい箇所
・レバーの付け根
・タンクと便器の接続部分
・タンク内のパーツ
・便器と床の接続部分
・ウォシュレット
・止水栓、給水管
トイレの漏水は、ゴムパッキンの劣化やタンク内の部品の劣化が主な原因である場合が多いです。使っていないにもかかわらず、トイレの水が流れ続ける場合には、タンク内のパーツの故障が考えられます。給水管を触って漏水している場合には、内部に使われているゴムパッキンの劣化が考えられます。
ウォシュレット(温水便座)からの漏水も多いため、ノズルや給水管周辺から水が漏れていないかもよく確認しましょう。トイレで漏水が起きた場合には、漏れた水が便器に伝わって床を濡らし、便器と床の間から漏水しているようにも見えます。しかし、その部分から漏水することは少ないため、給水管やタンクから水が漏水して流れてきていないかも併せて確認してください。
【漏水調査】お風呂場で見るべきポイント
■お風呂場で特に漏水しやすい箇所
・シャワーホース
・蛇口
・給湯器
・浴槽
・壁、床
お風呂場では蛇口やシャワーホースなど吐水口から漏水が起きる場合が多いので、その辺りをよく確認してください。蛇口の吐水口や取り付けてある壁面を手で触ってみて、濡れていないかみてみましょう。
シャワーヘッドの故障も、お風呂場での漏水原因としてよくありえるものです。シャワーヘッドから漏水していても蛇口を閉めていると水は止まるので、シャワーヘッドやホースを蛇口より下の位置に持っていって、水が漏れてこないか確認することが大切です。
【漏水調査】洗面台で見るべきポイント
■洗面台で特に漏水しやすい箇所
・蛇口
・蛇腹ホース
・給水管、止水栓
・排水パイプ(ホース)
・排水口と排水パイプの接続部分
蛇口やハンドル部分、ホース、給水管と、それぞれの箇所を手で触って、濡れていないか順番に確認してください。蛇口内部に取り付けてあるゴムパッキンは、経年劣化から漏水が起きやすい場所です。
シンク下の棚に収納されているホースや給水管は、劣化以外に、詰まりによる漏水も起きやすいため、詰まりがないかも併せて確認しなければなりません。洗面台下のスペースは物などを収納して漏水に気づきにくい場合も多いため、注意する必要があります。
【漏水調査】洗濯機で見るべきポイント
■洗濯機で特に漏水しやすい箇所
・蛇口
・給水ホース
・排水ホース
・洗濯機本体
・洗剤ケース
・フィルター
洗濯機は使用時の振動によりホースの接続部分に負荷がかかることや、振動でホースの接続部分がゆるむことなどにより、漏水が発生する場合があります。
また、洗剤ケースやフィルターの汚れによって漏水が発生している可能性もありますが、これは普段の自分のお手入れで解消できる部分です。漏水していたらまずゴミなどが詰まっていないか確認し、汚れている場合は掃除しましょう。
漏水調査を業者に依頼するポイントと費用の目安
水道メーターなどを確認して確実に漏水していることが分かっても、目視ではわからない内部での漏水の場合など、自分の調査ではどこから漏水しているのかはっきりしない場合には、専門の業者に依頼することをおすすめします。
漏水調査を業者に依頼するポイント
漏水調査を業者に依頼する際は、業者のホームページなどから料金や対応スピードなどを確認した上で、数件の業者に問い合わせをして選定するべきです。業者によって、調査に使用する機器も異なり、料金に違いがあるためよく注意が必要です。また、以下の点も業者によって異なるため、依頼時によく確認しておきましょう。
■漏水調査を業者に依頼する際に確認したい点
・調査費用に別途出張費用がかかるのか
・漏水箇所が発見できなかった場合にも料金がかかるのか
業者に漏水調査を依頼する費用の目安
漏水調査は、調査方法ごとに使用する専門機器が異なり、料金も変わります。以下は、漏水調査費用の目安なのです。
【漏水調査】音聴法
・概要:音聴法は、止水栓や水道メーターに音聴棒を当て、漏水している場所を確認する方法
・費用の目安:8,000~15,000円
【漏水調査】漏水探知法
・概要:漏水探知法は、配管経路が分かっている場合に採用される方法。漏水探知機を使用。
・費用の目安:12,000~15,000円。ガスを使う漏水探知法の場合は、20,000~30,000円
まとめ
今回は、漏水が考えられる場合に、自分で漏水調査をする方法や、業者に依頼する際のポイントや費用の目安をご紹介しました。漏水は続いていると水道料金もかさみますし、家などが傷む原因にもなります。「自宅が漏水しているかもしれない」と感じたら、早めに対処することが重要です。